生きもの観察会~須原魚のゆりかご水田

木野環境

2012年09月02日 15:30


このカテゴリでは、滋賀県魚のゆりかご水田プロジェクト推進協議会からの情報発信を中心に掲載しています
  


6月23日のことです。
須原魚のゆりかご水田にて「生きもの観察会」が行われました!約120名の参加者の皆さま。手に手に網を持って準備万端で集まりました。

さて、田んぼで「生きもの」観察・・・・
昆虫かな??
と思うなかれ・・・・・!

「わたしたちのことで~す」


魚のゆりかご水田での観察会は、お魚の観察会なのでした。

タモ網を持って、一行は畦道を行きます。田んぼオーナーさんや、大学の関係者さんたちがご参加されています。企業からオーナーに参加してこられている方もおられます。

ここがお魚つかみの会場。

水路の水を落としてあります。田んぼの水も夏を迎えつつあるこの時期「中干し」と言って抜かれていきます。さぁ、この水路に、卵を産みに入ってきた魚たちや、卵からかえった稚魚がいるはず・・・・!

「ほれ、そこにおる!おるおる!!」
地元のおじいちゃん言われても・・・ どこに魚がいるのかよくわからなかったのですが、じょじょに目が慣れてきて、魚が泳いで水文が立つ様子がわかり始めます。

そうなると、どんどん上達するのが子どもたち。
「ここにいた!!」
「入った!!!」
「来た来た!」

と次々に魚を捕まえていました。


大きすぎてバケツには入らない魚もいました。大きなイケスに入れておいて、あとで観察します。そのイケスから観察会会場まで移動させるための魚つかみも、一大イベントのようでした

最初はおどおどしていた子どもたちも、魚を触ることに少しずつ慣れていき、ついには夢中。びしょびしょになりながら、魚をつかんではバケツに入れていました。

「田んヴォワイアン」も見物。
人気者です。



生きもの観察会の会場に移動です。
捕まえられた魚たちは、滋賀県立大学の皆川 明子先生や学生さんたちの手によって、水槽の中で種類ごとに分けられていました。この水槽は、ニゴロブナやナマズなどの赤ちゃん。けっこう大きい方です。

なぜか隅っこに集まるナマズの赤ちゃん。おひげが生えていて、子どもたちにも大人気でした。

こちらは親魚。
卵を産んで、琵琶湖に戻る途中でしたね。ひと時の間、水槽で観察させてもらいます。


今年は5月末頃から長雨が少なく、魚たちには田んぼに遡上しにくい環境でした。
多くが琵琶湖の岸に近いところや、農業水路などで産卵していて、田んぼまで入ってきているのは少数。この生きもの観察会の2~3日前にどばぁっと雨が降りまして、残っていた魚たちがその雨に乗じて田んぼや水路にあがり、産卵したという傾向だったようです。

観察した魚の赤ちゃん~稚魚(ちぎょ)たちを見ても、それがよくわかりました。
一番産卵が集まる時期である5月下旬ごろに生まれて、やや大め3cm~5cmほどに育った子たちと、つい1週間ほど前の雨の頃の産卵で卵からかえった5mm~1cmほどの小さい子たちが混ざっていました。


メダカの稚魚、ギンブナの親たち、ニゴロブナ、いろんな魚が入った水槽が並んでいます。目が釘付けの子どもたち

皆川先生が、イラストの紙芝居を使って、わかりやすく、~「魚のゆりかご」~稚魚たちがぬくぬくと育つ、この田んぼの仕組みを教えてくれました。



元気に学んだあとは、須原の野菜がたくさん入ったおいしいカレーをいただき、観察会の終了。楽しい声がいっぱい響き、充実感でいっぱいのひと時でした。

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